>>> ここから先、独断と私見に基づいた感想です。
      心の広い方だけ、お付き合いください。
 


かように、俳優陣はそろっていたのですが、残念だったのは
脚本がいま一歩であったこと。
正直、同じ作品が朗読ではなくきちんとした舞台にこのままあげられたら、
そしてそれを見に行っていたら、ちょっと消化不良だったとおもいます。

一番気になったのは、場面場面で浮かんでくる映像はあるのに、
それが上手くひとつの流れに結びつかないこと。
おそらく、多くの情報を収集し、かなりの背景知識をもって書かれた作品だと
思うのですが、情報が素地のまま出てしまっているのかな、という印象を受けました。

これは全く私自身も言われていることなのですが、
自分が面白いと思ったことを盛り込みすぎてしまったため、
エピソードは多いけれども、全体としてのまとまりが、多少欠けてしまっていたように思います。

もうひとつは、作品の展開についてです。
演技が入るという前提でかかれていることが大きいでしょうが、
若干、展開の荒い作品になってしまっていたように感じました。
例えば、なつこと安藤のW不倫。
詳細に台詞を追っていけば、「ああ」と思うところもあるのですが、
あの流れでは、すこし唐突な感じを受けました。
第何幕、と転換するごとに、劇団員を取り巻く状況や人間関係が
あまりに大きく変化してしまうことも気になった点のひとつです。

推理小説や星新一のショートショートのように、「嬉しい裏切り」、
意外性の面白さを期待する作品なら、唐突さも売りとなります。
ですが、今回の作品はどちらかというとその反対、日常を描こうと
していたのではないでしょうか。

「日常」を描いた作品は、共感できるリアルさが良いのであって
「読み解く」楽しみを味わうものではないようにおもいます。

「戦中戦後の演劇」というある意味、特殊な題材も含め、
解釈云々を考えることなく、作品世界にひきずりこむことのできるエネルギーと
世界観の構成が、多少弱かったように思いました。
面白い場面や、魅力ある俳優さんが多かっただけに残念です。

素人が生意気な私見を述べてしまいましたが、
演技が入っていくことを意識して作られた作品ですので、
今の段階では情報が足りなくても当たり前かもしれません。
しかも、今回はトライアウト。
これから、どんどん変わっていく作品だと思います。
完成版「サイタ サイタ サクラガサイタ」がどのような形に
なっているのか、期待するところです。





































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