第二幕,＜あらすじ＞
女王タモーラにはムーア人の愛人エアロンがいた。
エアロンはラヴィニアに横恋慕するタモーラの息子、
ディミートリアスとカイロンを扇動し、狩のどさくさに紛れてバシェナイスを殺害し、
その妃ラヴィニアを陵辱するよう策謀を授ける。
運命の日、ローマ近郊の森にサターナイナスとタモーラ、
バシエイナスとラビィニア、それにタイタスらの一同が集まる。
森の片隅でタモーラとエアロンが密会する場面を、
バシェナイスとラヴィニアが見咎める。
そこにタモーラの息子ディミートリアスとカイロンが現れ、
バシェナイスを殺害。エアロンに教わった穴に蹴落とす。
しかも、この殺人はエアロンの策略により、
タイタスの二人の息子、息子クウィンタスとマーシャスが行ったかのように
仕組まれる。それを信じたサターナイナスは、激怒。
タイタスの弁明も聞かず、息子二人を極刑に処すと叫ぶ。
森の中ではタモーラの二人の息子たちがラヴィニアを強姦し、
悪事が発覚しないようラヴィニアの両腕と舌を切り落とす。
ラヴィニアを発見しの変わり果てた姿を発見したマーカスは嘆き、
その残酷な行為に憤る。
＜舞台レポート＆感想＞
第二幕では、真打が登場します。
一幕では一言も言葉を発することなく、
舞台の隅でぎらぎらと目を剥いていた赤い服の男。
冬なのに上半身剥き出しの彼の名はエアロン君。
岡本さん演じる影の立役者とでも言うべきエアロンの暗躍は、二幕から始まります。
岡本さん、実は初見です。
エアロンはあくの強い役なので、失礼ながら どうなのかな〜、
と思っていたのですが、予想外に、というよりも かなりよかったです。
道徳心や信仰心を「甘っちょろいもの」と笑い飛ばし、常に自分だけを頼みに生きている
手負いの野生動物のような男を、うまく表現していたと思います。
二幕のはじめは、そのエアロンの独白シーンと、
タモーラの二人の莫迦息子、ディミートリーとカイロンの兄弟げんかから始ります。
ディミー兄を演じる谷田さんと、カイロン弟の高橋さん、
なかなかいい味だしてました。
この二人、ラビィニアに完全一方通行の横恋慕。
当人の知らないところで莫迦らしくも激しい喧嘩を繰り広げ、
ついにはエアロンの悪知恵にのってバシエイナスを殺してしまうという、
ファンにとっては胸ぐらを掴んでやりたくなるような役どころなのですが、
それでも、やんちゃな魅力たっぷりでした。
この二人が並ぶと、背景には常に「莫迦息子ふたり」と見えないロールが光り輝きます。
ある意味、リッパ。脱帽です。
*
第二幕での横田バシエイナスは、狩場へ赴くということで、
白い長套ではなく皮の胸当てのついた軽い鎧のようなものを着ていました。
その下にきている衣装はやはり白。
暗殺シーンが第二幕の二場と、残念ながらわりと早めに
訪れてしまうのですが、眉目秀たる闊達な皇子を好演していました。
タモーラの息子達と渡り合うシーンでも、表情や立居振舞がきりっと張り詰めていて
引きずり込まれるような緊迫感があり、とてもよかったです。
暗殺後は、指先一つ動かさない見事な死にっぷりをみせてくれました。
暗殺後のバシエイナス、深い穴に放り込まれるのですが、
舞台では穴がないので,樹の後ろに引きずり込まれた後、
客席から見えないように小さくなっていたような…。
学生席は斜め上なので、舞台は見えにくいぶん、裏が見えるのです（笑）
後で穴の人員が3名に増えるので、身をほそ〜くしていたように見受けられました。
29日は、一番舞台寄りの学生席なので、がっちり真相をつかんできますね！
*
その他の第二幕の見所（？）は、ラビィニアが陵辱された後、
森の奥からあらわれるシーンでしょうか。
ラビィニアの背後に現れる怪しい人影に注目！！
高橋さんと谷田さんのファンの方、心の準備は宜しいですか？
う〜ん、話の展開で行くと、あれは馬鹿息子×２だな…。
あれれ？肌色部分が妙〜に多い？おっかし〜な、色弱にでもなったのかな〜〜。
眼を疑うなかれ！！
噂の真っ裸くんたちはここで登場です！！
なんというか…凄いっす…。ディミー兄とカイロン弟、見事に衣装レス。
僅かに紅い毛糸の房のようなもので前面を隠していますが……。
怪しさ120%。まさか、あのシーンがこんなことになるとは。
高橋さんファンが「正視できませんでした」と頬を赤らめたこの場面、
私の二つ隣に居たご婦人がたは、それほどの距離ではないにもかかわらず
双眼鏡でじ〜〜っとウォッチングされていました。
…う〜ん…。
まだまだ続く舞台レポート。
でも、この後は少〜し軽めに！するつもりなんですが…。
