さて、24日と25日のソワレは
よ組が舞台中央前列、いわゆる「かぶりつき」を占拠していました。
もちろん、横田タルチュフへの熱い応援魂のあらわれでもあるのですが
(この行動が「さらなる緊張」につながるか、「応援」に該当するかは別問題として)
メインパ-パスは他にありました。
今回、全公演を制覇することになるZuさんが、24日のマチネ後に
ポツリと洩らした感想がそもそものきっかけです。

「すんごい、ツボなところがあったんだけど、
回りのお客さんが誰も笑っていなかったので
笑えなかった…」

ナ ン ト イ ウ コ ト ダ

私なんぞは、「そのおっぱいを隠してください」という言葉を
横田さんがどう発するのか、妄想しただけで口角が緩み、
「脳磁場が乱れている。無になってください」と
実験中にお叱りを受けたほどであるのに。
そのような苦行的な状況は、なんとしても避けるべきです。

かような経緯があって、よ組大集合となったわけですが、
この試みが大正解であったことはいうまでもありません。
おかげで、何憚ることなくドッカンドッカンいくことができました。

愉快なタルちゃんもさることながら、その他の登場人物も、ツッコどころ満載。
皆様総出で「投げ込んで来い!」とミットを構えてるかのごとき状況なので
いちいちつっこんでいたら、あっというまに腱鞘炎です。
しかしあえて記すとしたら、「僕は おかしな噂を聞いたんですが」と、
妙に情けない憤り感で入ってきたヴァレーヌ。
いや、あなたのポロシャツの襟のはじけ具合も相当…



さてさて、エルミール夫人とタルチュフのかけあい(?)以降、
タルチュフの面白さは、ますますヒートアップ。
特に、ダミスがタルチュフを罵倒し、怒ったオレゴンが
ダミスを勘当する場面。

「アナタは、私の外見を信用なさるというんですか!?」

うんうん頷くオレゴンぱぱも面白かったですが、
その時の横田タルチュフの表情と絶妙の間!
ダミスに殴りかかろうとするオレぱぱを押し止めながらも
腕の下からふりかえってニヤリと笑う表情は、
まるで子どもの喧嘩に親を担ぎ出して 狡賢く笑う子どものよう。

胡散臭さもいかがわしさも満点ですが、なぜかお茶目さが漂う横田タルチュフ。
○○扱いも白眉で、オレゴンぱぱに「出て行かないでください!」と
懇願された後の手の動き、正確にぴたりとポイント(何とはいいませんが)を
押さえた動作は、あまりの可笑しさに目の前が揺らぎました。

そして、最大の見せ場は、エルミールに偽りの愛の告白をされたシーン。
エルままの告白の間から、横田タルチュフ崩れる崩れる!
そして。

「その
のような甘さは 私の五感に深〜〜く染み渡り
かつて味わったことの無い快さを覚えずに入られません」
んといっても私は天使ではないのです」


めくるめくという言葉がこれほどに似合う瞬間があるでしょうか。
次から次へと繰り出される台詞と動作に、完全にノックアウト。
もう、面白すぎです。
格調高い台詞とは裏腹に、全身からほとばしるいかがわしさと怪しさ。
「おなかを抱える」という表現がありますが、人が真に笑いの虜になったときは
身体を屹立した状態に保つことは出来ないということを素で学びました。




しかし、物語はこの後急展開。
エルミールの策略により、馬脚を現したタルチュフは、
一転して一家を追い出しにかかります。
この場面での、横田タルチュフの変わりようは、目を瞠るものが有ります。
これまでとははっきりと違った眼差しと表情で、ぴんと張り詰めた空気を
つくりだしていて、その変化に息を呑んでしまいました。
大森クレアントと話すときの理知的な表情といい、
押さえるべきところを押さえた厚みの有る演技をみせてくれました。

そして、最後は国王の智謀により、すべてのたくらみが
ばれてタルチュフはお縄に。一家は夕暮れの中で喜びに沸き、
最後は家族の肖像風にファミリーコンサート(?)で幕。
横田さんも含めた全員が楽器を手に愉快に登場し、カーテンコールとなります。

この作品のサブタイトル、「沈む夕日」というのはどこにつながるのかな?と
思っていたのですが、最後のほうで国旗を降ろすという行為に、集約されていたように感じました。
夕方を思わせると同時に、それまであまり表に出てこなかった「国」というものを
印象付ける動作だったように思います。
夜間掲揚の出来ない国旗をおろすことで、「日没」を思わせ、「沈む夕日」に
タルチュフの動向と、太陽王ルイ14世にかけているのでしょうか?
そう考えると、「沈む夕日」というタイトル、非常に深いですね。
最後のほうの国王賛美がまた違った意味を持ちそうです。



<総合感想> 

私が横田さんに魅せられた理由のひとつに、瞭かさがあります。
台詞だけでなく、声の抑揚や大きさ、手の伸ばし方や体の角度
ひとつひとつに、その時の感情や状態が映し出されているような、
胸にまっすぐ届く演技。
今回のタルチュフでは、それが遺憾なく発揮されていたように思います。

そして、ことばの確かさ。
「ひねり出してます。イッパイ イッパイ」と仰ってましたが
原作で読んだときは「なんて長くて くどいんだ」と感じた台詞を
まったく違和感なく聴かせてくれました。
大森さんもですが、文字で表記されたものが、音を介して、台詞として空気に放たれると
こうも豊かに活き活きとするのか、と改めて芝居の面白さを感じました。

舞台全体の感想としては、若い役者さんが多かったせいもあり、
テンポのよさや活き活きとした躍動感が、前面にでていたようにおもいまず。
なにより、見終わった後、こちらも元気になるような気持ちのよい芝居でした!
横田さん、座組の皆さん本当にお疲れ様です。
次回、劇場でお会いできるのを楽しみにしています!!
























































































































































































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